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【対象および方法】
インターネットを利用して、へき地から超音波画像を自治医科大学に転送し判読を行い、その結果・コメントを僻地にe−mailで返すことを前提に、以下の事項について検討を行う。
提示した症例画像は、カラー画像は高度の頚動脈狭窄症、モノクロ画像は急性膵炎にともなって発生した嚢胞性病変、甲状腺癌である。
検討事項:以下カラー写真、モノクロ写真(ここで用いた画像はグレースケールの表示であるが、一般的に用いられている呼び名のモノクロを使用)について同様の検討を行った。
1、取り込んだ画像ファイルの大きさおよびその分解能
2、ファイル形式および圧縮
3、転送時間
4、判読に関する事項

 

1、画像の取り込み
撮影のしかた:同一のビデオプリンタ(高画質、低画質いわゆるハードコピー)で作製された同一画像を50,100,150dpiの各画素で取り込み、どの程度判読が可能か検討した。
画像ファイルの作成には、パソコンとしてMacintoshTM8100/80を使用し、スキャナーはEpsonTMGT−6000を使用した。カラー画像は16bitで、モノクロ(グレー)画像は記録されている画像の多くは64階調であるが、一般的に用いられている8bit(256階調)で取り込みを行った。
スキャナーによる画像取り込み:画像は市販装置に付属するビデオプリンターとして、高画質用はAlokaTM echo copier SSZ−705、低画質用は、AlokaTM echo copier SSZ−305により行った。前者は、超音波画像をカラー写真として記録する場合に用いられるビデオプリンターとして一般的なものであり、後者(いわゆるハードコピー)は以前からグレースケールの画像を記録するのに最も一般的に用いられているものであり、他のメーカーによる撮影装置の画像もほぼ同様の性能を有する。なお、今回用いた写真の大きさは、前者が縦8.7x横11.8cmであり、後者が縦7.1x横9.5cmである。
一方、デジタルビデオ信号画像として用いたものは、自治医科大学付属病院生理機能超音波検査室にて使用しているデジタルファイリングシステム内に撮影済みの画像を取り出した。このシステムではビデオ信号(縦480x横640ドット)をRGBの3つにより採取し、20倍にJPEG圧縮をおこなって記録するものである。元々の画像はDOSのファイルであり、これをMacintoshTMに取り込むためにPhotoshopTM3.0Jを用いてデータをPICTファイルに変換後に、以下の検討を行った。

 

 

 

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